コラム
親知らずについてもっと教えて?
皆さんこんにちは。
山口市中河原町、県道204号線とパークロード近くにある、藤井歯科医院です。
「親知らず」というユニークな名前の歯。
皆さん聞いたことはあると思いますが、そもそも親知らずとはどういう歯なのかご存知ですか? 今回は、親知らずについてお話しいたします。
親知らずとは
親知らずは、永久歯の中で最も遅く、一番奥に生える歯のことです。
「第三大臼歯(だいさんだいきゅうし)」が正式な名称で、「智歯(ちし)」とも呼ばれています。 永久歯は通常15歳前後で生えそろいますが、親知らずは他の永久歯に遅れて10代後半から20代前半ごろ、親に知られることのない年齢で生えてくることから、このように呼ばれています。
親知らずと人間の進化
親知らずは一般的には、上下の顎の左右に1本ずつ、合計4本あります。
ですが、もともと親知らずの無い人や、4本が揃っていない人など、本数には個人差があります。
このように、親知らずが生まれつきないというのは、人類の進化の一過程という考えがあります。
この現象は旧石器時代のクロマニヨン人にも見られ、弥生時代にはすでに珍しくなかったようです。 逆に、現代人にはすべての親知らずが生える割合が高くなっている調査結果もあります。
親知らずに関係する病気
親知らずは最後に生えてくる歯のため、スペースがないためにまっすぐに生えて来なかったり、歯ぐきに埋もれてしまったりすることが多く、トラブルが起きやすくなっています。
歯磨きがしづらいことでむし歯や歯周病にかかることが多いですが、「智歯周囲炎(ちししゅういえん)」になる場合もあります。
智歯周囲炎は20歳前後の人に多く、親知らず周辺の歯ぐきに雑菌が繁殖して炎症が起き、あごに痛みが生じます。
炎症が顎の骨に及ぶと、顔が腫れたり口が開けづらくなったりします。
治療には、抗菌薬や消炎鎮痛薬を投与して炎症を抑えます。
その後、親知らずに被った歯ぐきを切除して様子を見るか、親知らずの生える方向が悪かい、炎症を繰り返すといった場合には、親知らずを抜いてしまいます。
また、むし歯や歯周病、智歯周囲炎などの炎症が周囲の組織にまで侵入すると「歯性感染症」を起こすこともあります。
歯性感染症には、顎骨骨膜炎(がっこつこつまくえん)や化膿性リンパ節炎などがあり、抗生物質で炎症を抑えることになります。 重症化した場合には点滴などを用いることもありますが、親知らずを抜かない限りは完治しません。
まとめ
ユニークな名前のわりには、厄介なことの多い親知らず。
もし痛みがある場合には、早めに歯科医院を受診しましょう。
また、とくに問題がなくても、生え方で起こりうるトラブルが予想できるので、自分の親知らずがどのように生えているかを確認しておくことも大切です。 歯科医院でむし歯予防のためのクリーニングなども行ってもらい、確認してもらっておくといいでしょう。