これらは、小さな子どもから大人まで誰にでも起こりうる病気ですが、日本人の歯を失う原因の中で最も多いのが、実は歯周病だと言われています。
虫歯と歯周病はどちらも口内の問題ですが、原因や進行の仕方が異なります。
今記事では、虫歯と歯周病がどのように異なるのか、その原因についてより詳しく見ていきましょう。
虫歯と歯周病の根本的な違い
虫歯と歯周病を引き起こす主な原因は、口の中に存在するプラーク(歯垢)です。
このプラークに含まれる細菌が原因となりますが、虫歯と歯周病ではその細菌の種類が異なります。
この違いにより、虫歯と歯周病の両方を経験する人もいれば、片方のみを経験する人もいます。
虫歯が起こる原因
虫歯の背後には「ミュータンス菌」という特定の細菌がいます。
この菌は、私たちが食べ物を食べた後に残る糖分をエサにして生活しており、その過程で酸を生成します。
この酸が歯のエナメル質を徐々に溶かし、虫歯を引き起こします。
つまり、食後の糖分が虫歯菌の「ご馳走」となり、その結果として歯が溶けていきます。
歯周病が起こる原因
歯周病は歯を支える歯茎や骨(歯槽骨)に炎症を起こす病気で、こちらは「歯周病菌」と呼ばれる細菌によって引き起こされます。
歯周病菌が生成する毒素が歯周組織にダメージを与え、炎症したり組織を破壊したりします。
歯周病菌には様々な種類があり、誤って物が気管に入った時に歯周病菌も一緒に吸引してしまうことで、誤嚥性肺炎を引き起こす可能性のあるものも存在します。
さらに、歯周病は糖尿病など他の全身性の疾患と関連が深いとされ、全身健康に与える影響も大きいと考えられています。
虫歯と歯周病の症状の違い
虫歯と歯周病は、共に口の中のプラークに関連する細菌が原因で起こる病気ですが、症状の出方には大きな違いがあります。
いずれも進行すると、歯が抜け落ちるという深刻な結果を招く可能性があるため注意が必要です。
ここでは、それぞれの病気が進行する過程で現れる症状を詳しく説明します。
虫歯の症状の進行
虫歯の進行は、初期段階から重度の状態まで、いくつかのステージに分けられます。
初期虫歯(C0)
この段階では、歯の表面が酸によってわずかに溶け始めていますが、痛みはなく見た目にも大きな変化はありません。
多くの場合、自分では気づかないことが多く、歯科検診で「要観察」と診断されることがあります。
浅い虫歯(C1)
虫歯が歯の表面のエナメル質を超え、少し深く進行した状態です。
痛みはまだ感じませんが、変色や小さな穴が目に見えてきます。
ここでも自覚症状がほとんどないため、定期的な歯科検診での発見が重要です。
中程度の虫歯(C2)
虫歯がエナメル質を超え、象牙質まで到達している状態です。
この段階では、冷たい水や甘いものを口にした時にしみる感じや痛みが出始めます。
深い虫歯(C3)
虫歯がさらに進行し、神経に達した状態です。
この状態では激しい痛みが発生し、何もしていない時でもズキズキすることがあります。
最終段階の虫歯(C4)
歯がほとんど溶けてしまい、根だけが残る状態です。
神経が死んでしまっているため、痛みは感じにくくなります。
歯周病の症状の進行
歯周病は、痛みを伴わずに進行することが多いため、症状に気付きにくいという特徴があります。
軽度歯周炎
初期段階では、歯茎の腫れや歯磨き時の出血が見られます。
この時点では、歯槽骨の吸収は軽度です。
中度歯周炎
歯茎の腫れと出血に加え、歯を支える歯槽骨の吸収が顕著になります。
歯がグラグラして噛むことが難しくなったり、口臭が気になり始めたりします。
重度歯周炎
歯槽骨の吸収がさらに進み、歯のぐらつきがひどくなります。
食事がしづらくなり、歯茎からの出血や膿が見られるようになり、口臭も悪化します。
藤井歯科医院
一般歯科治療だけでなく、親知らずの抜歯やインプラント手術、予防ケアや訪問診療などにも幅広く対応しており、技工所を併設するなどどんなお悩みでもすぐに対応できるような体制を整えています。
どんなことでも、お気軽にご相談いただけたらと思います。
皆さまのお越しをお待ちしております。
藤井歯科医院
住所:〒753-0088 山口県山口市中河原町2-30
TEL:083-925-6640